2016年5月11日水曜日

「Challenger ATR2 HOKAアスリート小原選手レビュー」

今年の初レースにして、メインレースの1つと位置付けていた奥三河パワートレイル。



                  写真提供:DogsorCaravan.com



【結果】7:20:35 優勝

最高のパフォーマンスを出して走ることが出来ました。 このレースで履いたシューズが、チャレンジャーATR2

IAUの世界選手権の日本代表選考レースとなった奥三河パワートレイル。

予想通り、日本のトップ選手が何人もエントリーしていると、事前から聞いていました。
当然、高速レースとなるはず。
前半は走りやすい下り基調のロードセクションが37kmまで続き、そこからゴールまでは一転して、細かなアップダウンが続く、かなり険しいトレイルセクションになるという、相当タフなコース設定。
なんと言っても、昨年の完走率が30%程度だったことからも、コース設定のタフさを容易に想像が出来る。


このレースを前にして、不安要素は大きく2つありました。
①前半の走れるロードセクションは、間違いなくハイペースな展開になる。 それに対応出来るか。
②後半の本格的なトレイルセクションが、勝負どころとなる。ここで、日本トップレベルのランナーと勝負出来るだけの脚を残せるか。

ロードを速く走り、かつ後半のトレイルセクションのために脚を残す。
矛盾した2つの要求。これを叶えるべく、熟考に熟考を重ねた結果、僕が奥三河で履くことに決めたのが、チャレンジャーATR2でした。


結論から言うと、想定通りにレースは展開していき、そして狙いは通りにレースを終えることが出来ました。


まず、前半は予想通り、スタート直後からハイペースで進みました。 下り基調のロードが延々と続く前半のセクション。
ここのイメージは、「速く柔らかく」という感じ。 下りをハイペースで走ると、どうしても、一歩一歩が、「ドン!ドン!ドン!」という脚の運びになってしまう。 その一歩のダメージは本当に激しく、太腿や脹脛、お尻から腰に至るまでの筋肉を、確実に蝕んでいく。 だからと言って、ダメージを少なくする為にゆっくり走っていたのでは、勝負にならない。 そこで、「柔らかな走り」をする必要がある。 イメージとしては、上手な機長さんの飛行機の着陸みたいな感じ。 ソフトランディング。 地面を叩くのではなく、「置く」とか「乗せる」という感じに脚を運ぶ。 このイメージの走りを、チャレンジャーATR2は可能にしてくれる。 高速な下りを、「フワッフワッ」と走らせてくれる。膝や腿に衝撃を感じないような走り。


           写真提供:DogsorCaravan.com



37kmの中間地点のエイド。 予定通り、脚を残して到着することが出来た。
トップとの差は約3分。 ここからが、勝負どころ。 ここからコースは本格的なトレイルへと姿を変える。
ここからのイメージは、「堅実さ」という感じかな? 崩れない走り。ミスをしない走り。間違いない走り。 捻挫や転倒で、致命的なダメージを受けないように走り。特に疲れが溜まる後半になればなるほど、そういったリスクは高まる。 それは、もちろんフィジカルの疲れにより、脚が思ったより上がらないといったことが原因で起こることもあるだろうけど、僕はむしろ気持ち(思考)の疲れによる集中力の低下が原因で起こることの方が多いような気がする。 どんなに集中しようと思っても、疲れでボーッとしてしまう瞬間が必ずある。
だからこそシューズには、「無意識のうちに安全を確保してくれること」が重要なのだ。 それは、充分なグリップ力であるとか、足にストレスを与えない履き心地であるとか。 そういうことが、知らず知らずのうちに、僕たちランナーを守ってくれている。


                  写真提供:DogsorCaravan.com


チャレンジャーATR2。 このシューズで事前に何度も山を走りに行った。 本当に長い時間山を走り続ける中で、僕はこのシューズは信じて大丈夫だと結論付けた。
だから、僕はこの後半のセクションを、何も考えずにいつものようにただ走るだけでよかった。 急な階段も、鎖場も、手を付いて進むような岩場の下りも、いつも通り。 余計なことなど考えず、脚が出るに任せて走る。


僕が考えるべきことは、ただ1つ。
出来る限り速く走る。


結果的に、この後半のトレイルセクションで後続との差を大きくすることができ、一番最初にゴールラインを跨ぐことが出来ました。

チャレンジャーATR2。
シューズに求めるものは、ランナーによって千差万別だと思います。 僕は欲張りだから、スピードも求めたいし、クッション性も捨てがたいし、グリップ力はなくてはならないものだと思っています。

チャレンジャーATR2。
今年のUTMB、UTMF、そして世界選手権。 勝負レースは、こいつでいきたいと思います。
これらのレースの後半で、僕がペースを落とさずに、むしろ上げることが出来たなら。
今回の奥三河のような走りが出来たなら。 そこには、きっとチャレンジャーATR2があります。

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